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Kittyは映画が大キライ

私の私による私のための映画レビュー

『高慢と偏見とゾンビ』 心の底から楽しめました

好きな映画 映画館で観た映画

高慢と偏見とゾンビ』

バー・スティアーズ監督

2016年

 

不朽の名作、感染。

 

(日本版ポスターより)

 

ということで、最初は完全にイロモノ、B級映画だろうと思って観に行ったんですが完全に足元をすくわれました。そりゃあ、粗は目立つし、展開も詰め込み過ぎのしっちゃかめっちゃかだったけど。それでもやっぱり面白かったです。

 

魅力その①:(わりと)スタイリッシュなアクション

 

まずアクションがカッコ良かった。正直『スーサイド・スクワッド』(2016年、デヴィッド・エアー監督)より楽しめました。確かにダーシー(サム・ライリー)の日本刀は変だったし、ウィカム(ジャック・ヒューストン)はサーベル握りしめてたけど!でも全体としてアクションがよかったから、ストーリーが意味不明で掘り下げが甘くてもしっかり観せてくれました。特によかったのが舞踏会のシーン。ゾンビが攻めてくるんですが、みんなが逃げてくるほうに向かっていく主人公姉妹。ゾンビの群れに飛びかかったかと思うと、千切っては投げ、千切っては投げの大立ち回り。主人公・エリザベス(リリー・ジェームズ)を中心に、五人のドレス姿の女性が矢じりの陣形で、血しぶきの中を画面奥からを向かってきます。ここだけ切り抜けばA級映画です。

このシーンに限らず、エリザベスが魅力的ですね。わりと自分でいっちゃう。みんなまとめてぶっ飛ばしちゃう。ジェンダー云々を抜きにして、こういう女性は素敵ですね。特にゾンビ映画補正でハジけてるとなお良いです。リリー・ジェームズもいい演技でした。ていうかゾンビ映画のくせにみんなそこそこの演技のしてたから素晴らしい。

 

魅力その②:(そこそこの)原作理解

 

オースティンの原作では、ダーシーのことを高慢で偏見に満ちた人だと思っていたエリザベスが、実は自分こそダーシーに対して高慢と偏見をもって接していたことに気づく、というのが一つの重要な流れです。そしてその過程にある事件や対話がこの話の焦点な訳ですが、以外にも『高慢と偏見とゾンビ』もそこはしっかり抑えているのです。

姉妹が結婚観とダーシーの評価を口論する場面と、エリザベスがダーシーに感情をぶつける場面。これはどちらも原作の重要な場面何ですが、見事にカンフーに置き換わっています。どういうことかと言いますと、原作で重要だった会話の代わりに、エリザベスたちの内面の機微は格闘によって表現されているのです。ダーシーに対する怒りや不快感、姉を冷やかす姉妹の愛らしい意地悪といった要素をカンフーの形にして可視化しています。これは案外バカにできないことでしょう。古典を斬新な解釈で描きなおした意欲的な取り組みといっても過言ではありません。

 

魅力その③:(常識的な範囲の)スプラッター要素

 

やっぱりゾンビですからね!全体的に控えめではありますが、それでもしっかりグロいです。ゴア描写は映画の華ですよ!クライマックスのゾンビの大群もいいですね。丘からゾンビの群れが現れて、もう画面の端から端までゾンビ。最高。こういうのが欲しかった。

 

最高のデートムービー

 

とんでも展開にはツッコミつつ、アクションとゾンビを楽しむ。そこにオースティンをベースにした恋愛物語が絡むわけですから、エンタメとロマンスが両立されています。軽く楽しめるし、ゴア描写は控えめだし、これは真剣にデートにオススメです。

いやあ、本当に面白かった。Rotten Tomatoes では散々な言われようでしたが、これはもっと評価されていい作品です!